皆さんは、世界で一番大きな動物が何かご存知ですか?
テレビや図鑑などで、様々な動物の姿を目にすることがあると思いますが、その実際の大きさを具体的に考えてみると、私たちの想像を超えるような巨大な動物たちが地球上には数多く生息しています。
この記事では、地球上に生息する特に大きな動物たちを、その体重や体長などを基にランキング形式でご紹介します。
世界一大きい動物ランキング トップ7
第7位:空に届くほどの高さ!「キリン」
最初に登場するのは、動物園でもよく見かける、首の長い動物、キリンです。 「キリンがランキングに入るほど大きいのか」と意外に思われる方もいるかもしれません。
キリンは、現在地上に生息する動物の中で最も背が高いことで知られています。成長したオスの大きい個体では、地面から頭頂部までの高さが約5メートルから6メートルにも達します。これは、一般的な2階建ての家屋の屋根に匹敵する高さです。
体重に注目すると、大きいオスでは約1.5トンを超えることもあります。これは、一般的な軽自動車1台分に相当する重さです。長い首や脚が特徴的ですが、体全体も非常に大きいことが分かります。
キリンの長い首は、遠くにいる敵をいち早く発見したり、高い場所にある木の葉を食べたりするのに役立っています。しかし、その長さゆえに、地面近くの水を飲む際には、前脚を大きく広げてかがみ込むという、少し独特な姿勢をとる必要があります。
キリンの特筆すべき点:
- 地上で最も背が高い(約5~6m)
- 水を飲むときの独特な姿勢
- 体重も約1.5トンと大きい
第6位:水辺の強力な捕食者!「イリエワニ」
次に紹介するのは、爬虫類(はちゅうるい)の中で最大級の大きさを誇るイリエワニです。その名前から、力強い姿を想像する方も多いでしょう。
イリエワニは、主に東南アジアやオーストラリア北部の沿岸部、河川、湿地、マングローブ林などに生息しています。ワニの中でも特に大型化する種で、大きいオスは体長6メートル以上、体重は1トンを超える記録もあります。
体長6メートルというと、学校の教室の短い方の辺の長さほどになります。これほど巨大なワニが水中に潜んでいると考えると、その存在感の大きさがうかがえます。
イリエワニは、水辺に近づく獲物を待ち伏せし、驚異的なスピードで襲いかかる優れたハンターです。非常に強い顎(あご)の力を持っており、水辺の生態系において頂点に立つ存在の一つと言えるでしょう。一方で、日中は水面で静かに浮かんでいたり、陸地で日光浴をしたりする、比較的穏やかな姿も見られます。
イリエワニの特筆すべき点:
- 爬虫類で最大級の大きさ(体長6m以上、体重1トン以上)
- 強力な顎を持つ捕食者
- 待ち伏せ型の狩りを得意とする
第5位:鰭脚類(ききゃくるい)最大の巨体!「ミナミゾウアザラシ」
名前に「ゾウ」とありますが、ゾウの仲間ではありません。これはアザラシやアシカなどが含まれる鰭脚類(ききゃくるい)の中で、世界最大の種類であるミナミゾウアザラシです。
主に南極大陸周辺の冷たい海域に生息しており、特にオスが非常に大きくなります。大きい個体では体長が約5メートルから6メートル、そして体重は最大で4トン近くにも達すると言われています。4トンという重さは、後述するアフリカゾウの半分程度に匹敵し、鰭脚類の中では群を抜いています。
「ゾウアザラシ」という名前の由来は、成熟したオスの鼻がゾウの鼻のように長く大きく垂れ下がることによります。この特徴的な鼻は、繁殖期(子孫を残す時期)において、他のオスを威嚇したり、大きな鳴き声を出したりする際に役立つと考えられています。
繁殖期には、メスをめぐってオス同士が激しく争います。その巨体がぶつかり合う様子は、非常に迫力があります。
ミナミゾウアザラシの特筆すべき点:
- 世界最大の鰭脚類(アザラシの仲間)(体重 最大約4トン)
- オスの鼻がゾウのように長くなるのが特徴
- オス同士の争いは迫力満点
第4位:陸上最大の動物!「アフリカゾウ」
ここで、陸上で最大の動物が登場します。広く知られているアフリカゾウです。
アフリカゾウは、その名の通りアフリカ大陸のサバンナや森林地帯などに生息しています。特に大きなオスの場合、肩までの高さが約3メートルから4メートル、体重は6トンから、時には10トンに達することもあります。10トンという重さは、大型の路線バス1台分に相当します。陸上動物としては、まさに規格外の大きさと言えるでしょう。
大きな耳は、うちわのように動かすことで体温を調節する役割を持っています。そして、非常に器用な長い鼻は、物をつかむ、水を飲む、匂いを嗅ぐ、仲間とのコミュニケーションなど、様々な用途に使われる万能な器官です。
アフリカゾウは知能が非常に高く、強い家族の絆(きずな)を持つ社会的な動物としても知られています。通常、メスとその子どもたちを中心とした群れで生活し、協力し合いながら広大な地域を移動します。
アフリカゾウの特筆すべき点:
- 現生する陸上動物で最大(体重 6~10トン)
- 体温調節に役立つ大きな耳と、万能な長い鼻を持つ
- 知能が高く、社会的な動物
第3位:海を穏やかに泳ぐ巨人!「ジンベエザメ」
海の生物からランクインです。現生の魚類(ぎょるい)の中で最大の大きさを誇るのが、ジンベエザメです。
ジンベエザメは、世界中の暖かい海の表層近くを、ゆっくりと回遊しています。記録されている大きな個体では、体長12メートル以上、体重は約20トンにも達するとされます。体長12メートルは大型バスとほぼ同じ長さ、体重20トンはアフリカゾウ約2頭分に相当し、魚類としては驚異的な大きさです。
「サメ」という名前から獰猛(どうもう)なイメージを持つかもしれませんが、ジンベエザメは非常におとなしい性質の持ち主です。主食はプランクトンや小魚、イカなどで、大きな口を開けて海水ごと吸い込み、エラでエサだけをこし取って食べるという、濾過摂食(ろかせっしょく)を行います。
体にある白い斑点模様が、日本の衣服である「甚兵衛(じんべえ)」の柄に似ていることから、この和名がついたと言われています。その模様は、個体ごとに異なり、識別のために利用されています。
ジンベエザメの特筆すべき点:
- 現生の魚類で最大(体長12m以上、体重約20トン)
- プランクトンなどを食べる、おとなしい濾過摂食者
- 個体ごとに異なる美しい斑点模様を持つ
第2位:深海に潜む神秘的な巨人!「マッコウクジラ」
いよいよ上位2種の発表です。第2位は、深く暗い海の世界に生息する巨大なクジラ、マッコウクジラです。
マッコウクジラは世界中の海洋に広く分布していますが、特に数百メートルから時には2000メートルを超えるような深海を主な生息域としています。大きなオスは体長が約18メートル、体重は約40トンから50トンにもなります。これはジンベエザメをも上回る大きさで、体重50トンはアフリカゾウ約5頭分に匹敵します。
マッコウクジラを特徴づけるのは、その巨大な四角い頭部です。体全体の約3分の1を占めることもあるこの頭部の中には、「脳油(のうゆ)」または「鯨蝋(げいろう)」と呼ばれる特殊なワックス状の物質が詰まっており、潜水時の浮力調整や、反響定位(エコーロケーション:音の反響で周囲を探ること)に役立っていると考えられています。
また、マッコウクジラは、地球上の全ての動物の中で、最も大きな脳を持っていることでも知られています。主な食物は深海に生息するダイオウイカなどの大型のイカ類です。マッコウクジラの皮膚には、ダイオウイカの吸盤によるものと思われる傷跡が残っていることがあり、深海での壮絶な闘いを物語っています。
マッコウクジラの特筆すべき点:
- 巨大な頭部を持つハクジラ類(体長 約18m、体重 約40~50トン)
- 地球上で最大の脳を持つ
- 深海に潜り、ダイオウイカなどを捕食する
第1位:地球史上、最大の動物!「シロナガスクジラ」
栄えある第1位に輝いたのは、地球上に存在するあらゆる動物の中で、最大の大きさを誇る生物、シロナガスクジラです!
シロナガスクジラは、現在生きている動物の中で最大であるだけでなく、これまでに地球上に存在したとされるどの動物(巨大な恐竜などを含めても)よりも大きいと考えられている、まさに「地球史上最大の動物」なのです。
その大きさは、私たちの想像をはるかに超えています。記録されている最大の個体では、体長が約30メートル、体重は150トンから、時には200トン近くに達することもあると言われています。
体長30メートルは、学校などにある25メートルプールよりも長く、体重200トンは、アフリカゾウに換算すると約20頭分にもなります。まさに桁違いのスケールです。
シロナガスクジラの心臓だけでも小型自動車ほどの大きさがあり、その鼓動は特殊な機器を使えば数キロメートル離れた場所からでも探知可能だと言われています。また、一度に飲み込む海水の量は数十トンにも及ぶとされます。
これほど巨大な体を持つシロナガスクジラですが、その主食は、オキアミと呼ばれる体長数センチほどの小さな甲殻類(エビやカニの仲間)です。毎日、推定で数トンものオキアミを捕食し、その巨大な体を維持しているのです。
また、シロナガスクジラの出す低周波の鳴き声は、非常に大きく、ジェットエンジンの騒音レベルを超えることもあると言われており、遠く離れた仲間とのコミュニケーションに使われていると考えられています。
シロナガスクジラの特筆すべき点:
- 確認されている限り、地球史上最大の動物(体長 約30m、体重 150~200トン)
- 心臓が小型車サイズ、驚異的な捕食量
- 主食は小さなオキアミ
- 非常に大きな鳴き声を出す
まとめ
世界の巨大動物ランキングTOP7、いかがでしたでしょうか?
ランキング結果をまとめると
第7位:キリン
第6位:イリエワニ
第5位:ミナミゾウアザラシ
第4位:アフリカゾウ
第3位:ジンベエザメ
第2位:マッコウクジラ
第1位:シロナガスクジラ
今回は、地球上に生息する特に大きな動物たちを7種ご紹介しました。 キリンの驚くべき高さ、イリエワニの力強さ、ミナミゾウアザラシの重厚感、アフリカゾウの陸上での存在感、ジンベエザメの穏やかな巨大さ、マッコウクジラの深海の神秘、そしてシロナガスクジラの圧倒的なスケール。
それぞれの動物が、生息する環境に適応し、独自の進化を遂げてきた結果、このような素晴らしい姿を獲得したのです。
しかしながら、これらの巨大で力強い動物たちの多くが、私たち人間の活動や環境の変化によって、その数を減らし、絶滅の危機に瀕しているという現実も忘れてはなりません。
かつては多数生息していたシロナガスクジラも、乱獲によりその数が激減しました。現在は国際的な保護活動により、少しずつ回復傾向にはありますが、依然として予断を許さない状況です。