日本人の名字には、地域や職業、家系や出自などさまざまな由来や意味があります。
また、同じ名字でも読み方や漢字が違ったり、逆に違う名字でも読み方や漢字が同じだったりすることもあります。
そんな日本人の名字ですが、実は全国で約30万種類もあると言われています。
その中で、どんな名字が最も多く、どんな名字が最も少ないのでしょうか?
そこで今回は、2022年版の全国名字ランキングTOP10を発表します!
あなたの名字は何位にランクインしているでしょうか?
それでは早速見ていきましょう!
全国で最も多い名字TOP10
まずは全国で最も多い名字TOP10を見てみましょう。
このランキングは、「名字由来net」というサイトやアプリが提供するデータベースから、政府調査系機関や電話帳データをもとに集計したものです。
では発表します!
第10位:加藤さん
全国人数:およそ87万8千人
その由来は、藤原氏の一族から派生したものでした。
藤原利仁の子孫が加賀介という官職に任命されたことから、加藤さんの「加」は加賀から、そして、「藤」は藤原から来たと言われています。
その後、源頼朝の旗揚げに参加したり、伊勢や甲斐などに移住したりして、関東や東海地方に広まっていったそうです
現在は加藤姓の割合が多いのは、愛知県、岐阜県の他、東北の秋田県、山形県、宮城県です。
第9位:小林さん
全国人数:およそ101万6千人
平安時代から鎌倉時代にかけて、藤原氏や源氏などの有力な氏族の一族や家臣が、居住地や領地の小林という地名にちなんで名乗ったことに由来するとか。
その他にも、藤原氏や平氏などの流れをくんでいる小林姓があるんですが、詳細は不明な点が多いようです。
小林姓の割合が多いのは、長野県、山梨県、新潟県、群馬県、栃木県です。
第8位:中村さん
全国人数:およそ103万2千人
その由来は、主に地名からきているとされています。
語源は、小さな村が大きくなると東村、西村のように村を分けるようになり、このとき分村に対して本村を中村ということから来ているようです。
中村さんの割合の多いのは、山口県や三重県、長崎県、熊本県、青森県となります。
第7位:山本さん
全国人数:およそ103万6千人
山本という名字は、大阪府や兵庫県などの西日本に特に多く見られています。
その由来は、主に地名からきているとされており、もともと日本人は山のふもとに住むことを好んだために、山本姓が広く分布したと考えられています。
第6位:渡辺さん
全国人数:およそ105万人
渡辺とは川や海などを渡る場所を意味するんですが、渡辺さんの名字は、主に以下の三つの説があります。
1.渡部という地名や職業に由来
渡部は渡し場や渡し守を意味し、大阪府大阪市北区・福島区付近(旧:渡辺)や宮城県白石市などに見られる地名です。この場合、本姓は源氏や藤原氏などです。
2.渡邊という地名に由来
渡邊は川や海のほとりを意味し、新潟県新潟市や静岡県富士市などに見られる地名です。この場合、本姓は源氏や平氏などです。
3.コリア(朝鮮・韓国)系の帰化姓として採用
辺という姓に「渡」を追加したり、地形を表す言葉としたりしたものです。この場合、本姓は辺です。
山梨県、福島県、新潟県、栃木県、静岡県で渡辺姓の割合が高くなっています。
第5位:伊藤さん
全国人数:およそ106万5千人
伊藤さんの名字は、主に以下の二つの説があります。
一つは「伊勢の藤原氏」という意味で、藤原秀郷の子孫が伊勢国に領地を得て名乗ったものとなります。この場合、本姓は藤原氏です。
もう一つは「伊東工藤」という意味で、工藤氏の一部が駿河国から東伊豆に移住し、伊東工藤と称したものとなります。この場合、本姓は工藤氏です。
面白いですね。
他にも、明治新姓や帰化姓などで伊藤さんになった例もあります。
秋田県や三重県、愛知県に多い姓です。
第4位:田中さん
全国人数:およそ132万6千人
田中とは田畑の中央部を意味するとおり、地形由来の代表的な名字で、田んぼの中に家があるという地形から名付けられたと考えられます。
日本全国にこのような地形は多く存在するため、田中という名字は全国に広がっています。
また、田中という名字は、一つの氏族から発祥したわけではなく、様々な出自や系譜があります。
例えば、以下のようなものがあります。
- 近江国人で近江源氏とも橘氏とも清和源氏の新田氏一族ともいわれる吉政系田中氏⇒戦国時代の武将・田中吉政はこの系統です。
- 新田系里見氏一族の里見系田中氏⇒茶人・千利休はこの系統を称しました
- 足利系岩松氏一族の岩松系田中氏⇒政治家・社会運動家の田中正造はこの系統といわれます。
- 村上源氏流の岩倉家庶家である植松家出身の子爵・植松雅行が田中家と称した植松系田中家。
- 宇和島藩領高山浦の庄屋・田中家。伊達村候の作者である伊達純一はこの系統です。
田中さんの割合の多い地域は、実は鳥取県が一番で、佐賀県、福岡県と九州が続き、滋賀県・京都府と関西も多いのが特徴です。
第3位:高橋さん
全国人数:およそ139万9千人
高橋とは川や海などを渡る高い橋を意味します。
高橋の名前の由来には諸説あります。
一つは筑後国北部の御原郡の国人一族が高橋氏を名乗ったというもの。
大蔵党の支流から始まり、豊後大友氏の支流出身の高橋鑑種や高橋鎮種(紹運)が家督を継いだとされています。
もう一つの説は大和国添上郡高橋(現在の奈良県天理市)が地名由来であるというもの。
孝元天皇の末裔である大和の古代豪族の一つで、朝廷の食膳を担当した他、万葉歌人の高橋虫麻呂が有名です。
現在、高橋さんの割合が多いのは、岩手県、秋田県、宮城県、山形県と東北地方に多いのが特徴です。
第2位:鈴木さん
全国人数:およそ178万6千人
鈴木という名字の由来には複数の説がありますが、最も有力な説は、和歌山県にある熊野の新宮から始まったとされています。
熊野では昔、稲刈りの後に刈り取った稲を積み上げてそれを「穂積(ほづみ)」と呼んでいました。そしてその穂積の上に一本の棒を立てて翌年の豊作を祈願します。するとそこに神が下りてきて、寝ている稲穂に稲魂を植えるというわけなのですが、この棒のことを「すすき」と呼んでいました。
単に積み上げた稲穂そのもののことを「すすき」と呼んでいた、と紹介しているところもありますが、これは最初はこの棒のことを「すすき」と呼んでいたことから転じてその稲穂自体のことも「すすき」と呼ぶようになったという由来があるようです。
鈴木姓の割合が高いのは、静岡県、福島県、山形県、宮城県、愛知県です。
第1位:佐藤さん
全国人数:およそ185万3千人
その由来は、主に藤原氏の一族からきているようです。
「佐藤」という名字の始まりと言われているのは、藤原氏の一族である藤原公清という人物です。彼は、藤原秀郷の子孫であり、源義仲の家臣でした。
彼が佐藤と名乗った理由には、以下のような説があります。
- 左衛門尉説:彼が左衛門尉という役職に任命されたことから、「左」の字を取って佐藤と名乗った。
- 佐野説:彼が下野国(現在の栃木県)の佐野という地名に住んでいたことから、「佐野の藤原氏」という意味で佐藤と名乗った。
- 佐渡説:彼が佐渡国(現在の新潟県佐渡市)の国司に任命されたことから、「佐渡の藤原氏」という意味で佐藤と名乗った。
これらの説はいずれも確定的なものではありませんが、いずれにせよ藤原氏の「藤」と何らかの「佐」を組み合わせたものだと考えられます。
以上が全国で最も多い名字TOP10でした。
いかがでしたか?
あなたの名字はランクインしていましたか?
もしランクインしていなくても、自分の名字が何位か気になる方もいると思います。
そこで次に、自分の名字が何位か調べる方法を紹介します。
自分の名字が何位か調べる方法
自分の名字が何位か調べる方法はとても簡単です。
「名字由来net」というサイトやアプリを利用すれば、全国で約30万種類の名字のランキングや人数、由来や意味、分布などを調べることができます 。
「名字由来net」は日本最大級の名字データベースで、実世帯が確認できる名字だけを集計しています。
また、「名字由来net」では、自分の名字だけでなく、他の人の名字や珍しい名字、面白い名字なども検索することができます。
ランキング結果を調べてみると、
「眞井田(まいだ)」さんは97,850位、秋田県に10名
「垣丸(かきまる)」さんは97,668位、島根県に10名のみ
「安久原(あくはら)」さんは97,500位、山形県に10名のみ
「蜆(しじみ)」さんは 89,132位で、兵庫県に10名のみ。
「左衛門三郎(さえもんさぶろう)」さんという名前のような名字の方は、全国順位は 87,241位、全国で埼玉県に10名のみ。
ちょっと読めない「臥龍岡(ながおか)」さんは78,149位で、大阪府と福井県に10名。
「玉蟲(たまむし)」さんは全国で66,657位で、その人数はおよそ20人。宮城県と神奈川県にそれぞれ10人
ということがわかりました。
このように、「名字由来net」を使えば、自分の名字や他の人の名字についてもっと知ることができます。
まとめ
今回は、2022年版の全国名字ランキングTOP10をまとめてみました。
日本人の名字には、さまざまな由来や意味があり、歴史や文化を反映しています。
自分の名字についてもっと知りたい方は、「名字由来net」というサイトやアプリを利用してみてください。
あなたの名字の秘密が明らかになるかもしれません。